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研究

研究ノート

2014/12/22

今後の中国の経済成長について-世界のマクロ・エコノミストは現在の中国経済をどのようにみているのか-

北浦修敏(主任研究員)による報告を掲載しました。
「今後の中国の経済成長について-世界のマクロ・エコノミストは現在の中国経済をどのようにみているのか-」(PDF)


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過去30年間にわたり主に農村部から湾岸の工業地域に生産資源を移転する形で10%前後の実質経済成長を続けてきた中国経済に、最近成長の減速が認められる。本稿では、IMF、OECD等の国際機関の分析や海外の経済誌等の論調を下に、中国経済について海外のマクロ・エコノミストがどのようにみているかを整理したい。本稿の詳細は、IIPS研究レポート「中国経済のマクロ経済分析に関する一考察」を参照されたい。


最近指摘される中国経済の成長への不安には、大きく分けて、3つの論点があると考える。
第1に、世界金融危機後の建設・不動産投資の急増に伴い、融資が過度に拡大し、バランス・シート面からの調整が必要になっていることである。すなわち一種のデレバレッジが必要となっている。
第2に、成長パターンの限界である。世界経済危機後は、地方政府によるインフラ開発や不動産・建設部門の投資を経済成長の中心に据えたが、これが第1の問題を発生させた。世界金融危機前の中国経済は、輸出産業を梃にして、海外の資源を輸入し、加工商品を輸出する形で高い成長を続けた。しかしながら、中国経済が世界経済の数パーセントの時代は輸出主導の経済成長も順調であったが、急成長の結果、世界経済の15%近い水準にまで拡大し、中国の一人当たりGDPがPPPでみて1万ドル近くにまで上昇すると、資源を乱用し、安価な工業製品と過剰貯蓄の輸出に依存した成長のパターンは世界経済のかく乱要因となりかねない。環境面からも限界がみとめられる。
第3に、第2の論点とも関連するが、中国の所得水準が中進国の水準に追いついてくるにつれ、労働効率の改善に向けて新たな構造問題に取り組む必要性が生じてきており、また、労働供給面からも中国経済の潜在成長力の減速が指摘されている。


本稿では、以上の3点について概観していくこととしたい。

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