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研究

研究ノート

2016/06/30

中国経済および日本企業の中国ビジネスの現状と展望

豊田主任研究員による研究ノートを掲載しました。

「中国経済および日本企業の中国ビジネスの現状と展望」(pdf)

中国商務部の統計によれば、2015年の世界から中国への海外直接投資実行額は1,263億ドルで、対前年+5.6%であった。伸び率はかつてほど高くはないが、まだ着実に増加し続けており、過去最高を更新した。一方で2015年の日本から中国への海外直接投資実行額は32億ドルで、対前年▲25.9%であった。2014年は対前年▲38.7%であり、2年続けて大幅に減少し、2001年以降で最少額になった。(図表1参照)

2012年10月の尖閣国有化以降、日中関係の悪化が急速に進み、中国向けの海外直接投資を見直す傾向が強くなったが、2014年11月の日中首脳会談を契機に政治面での冷え込みに一定の解消がみえたことで、2015年には減少に歯止めがかかるのではないかとの期待があった。しかしながら実績は大幅減の継続となってしまった。

この背景には、為替の問題もあるが、一番大きくは中国経済の中長期的発展に対する懸念を日本企業の本社経営陣が持っていることだと思われる。2015年の中国の経済指標は決して悪い実績値ではないが、中長期的発展のために必要な対応は、現状では十分に取れているとは言えない。日本企業の本社経営陣の懸念は理解できるが、一方で最近のネガティブな報道等を背景に、過度に中国経済の展望を悪くみている傾向がある。

本稿では、足元の中国経済の実績を評価し、2016年以降の展望に加え、過剰生産能力解消における鉄鋼産業の取り組みについて考察する。その上で、日本企業の中国ビジネスの現状を分析し、かつてチャイナプラスワンとして脚光を浴びたASEAN諸国向け海外直接投資の現状を踏まえながら、日本企業の中国ビジネスの今後の展望について考察する。

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