平和研国際会議・シンポジウム
「IT革命がもたらす問題と国家の役割」第2セッション

次に、第2セッションでは、「電子政府・電子自治体」をテーマにやはり4人のパネリストが報告した(司会:当研究所薬師寺泰蔵研究主幹)。東大大学院情報学環の須藤修教授は、日本における電子政府への取組みを説明しながら、電子認証などのセキュリティ上の課題や、実際のIT化を進めるうえで必要なNPOなどの市場と政府を繋ぐ第3者領域の重要性に言及した。

ヘルシンキ工科大学のポール・リルランク教授は、世界の中で最もIT化が進んでいるとも言われるフィンランドにおける電子政府推進の取組みを、行政・政治分野での実績を中心に解説した。米国コネクテッド・コミュニティーのセス・フェアリー代表は、自治体レベルにおけるITを活用した行政事務の合理化・効率化が実現可能であり、これを通じて地方自治への住民参加を深めることができることを紹介した。

最後に、漢陽(ハンヤン)大学工学部の朴容震(ヨンジン・パク)教授は、韓国における電子政府化について、大統領直属の「電子政府具現戦略報告会議」による推進など最近の動きを含めて説明した。ディスカッションとして、電子政府化が持つ意味として、行政サービスの自動化(「eガバメント」でなく「aガバメント」)や効率化にとどまるものかどうかが主に論じられ、電子化技術に埋没することなく、地域・民主主義の活性化に結びつけることの重要性が指摘された。

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この講演会は日本財団の助成事業により行っております。