新しい国際社会と日本の対応
平和研会議報告
「IT革命の進展とセキュリティ上の課題」1
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当研究所は12月10日、11日の両日、東京全日空ホテルにおいて、2001年の国際シンポジウム「IT革命がもたらす問題と国家の役割」に続き、今年度は「IT革命の進展とセキュリティ上の課題」と題し、国際会議およびシンポジウムを開催した。
IT革命の進展により我々の社会・経済はITへの依存度を高めているが、それに従い社会のセキュリティ確保とプライバシー保護のバランスという問題の発生や、電子商取引など金融経済システムでのITシステム侵害等の危険性も指摘されており、さらには、国家の安全保障のために政府と民間が一体となったサイバーテロへの対応も必要性を増しているなど、こうしたITの利用に伴いセキュリティ上のリスクが益々高まってきている状況である。これらの発生しうるリスクの実態を確認し、昨年9月11日以来、各国において社会のセキュリティ確保を優先する意識が強まっている点を念頭に置きながら、国際的視点からIT革命の進展とセキュリティ上の課題について、総合的な議論を展開した。
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まず、第1セッションでは、「ITと社会のセキュリティ」をテーマに、4人のパネリストが報告を行った(司会:薬師寺泰蔵世界平和研究所研究主幹)。最初に、中央大学理工学部の辻井重男教授が、IT技術による自由と利便性の拡大、セキュリティを考えるうえでの暗号の役割等を中心に説明した。カリフォルニア大学バークレー校のダグ・タイガー教授は、プライバシーと国家安全保障についての相反する課題を可能にする技術において、個人情報を取り扱うためのアーキテクチャの必要性や情報開示のあり方について提示した。英国マイクロソフト研究所のディーター・ゴルマン研究員は、IT革命におけるエンドシステムの問題点、ユーザー教育や新しい政策の必要性についての見方を示した。
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最後に、韓国セキュアソフト社の金弘善(ホンスン・キム)社長は韓国における社会へのITの浸透とビジネスの動きを例にとりながら、国家安全保障と情報セキュリティテクノロジーの競争と発展、さらにはIT文化の構築の必要性について説明した。
続いてディスカッションにおいては、まず、“セキュリティ”を捉えるうえで、国家安全保障と情報セキュリティを区別して考えるべきであることが指摘され、また、情報の所有権の問題、プライバシーの侵害を防ぐための監督機能の配分の問題等につき、わが国はもっと予算を投じて研究すべきと言及された。さらにプライバシーの問題においては、各国文化の違いによる対応の差や、各国間で共通の対応を採るための文化面からのアプローチの必要性等が指摘された。
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